住む人がいなくて放置された空き家の数が、年々増え続けていることはご存じでしょうか。
総務省統計局の平成30年の調査によると、総住居数の13.6%が空き家となっています。
現在、その空き家からの出火数が年々増えていて、問題視されているのです。
今回の記事では、空き家での火災の原因やその防止方法などを解説します。
空き家での火災の原因と放火犯に狙われやすい空き家とは
なぜ空き家から火災が起きてしまうのでしょうか。
火災の原因は、たばこのポイ捨てやガス漏れ、放火、配線器具のトラブルによるものです。
このうち、一番の出火原因は実は放火なのです。
消防庁の「火災統計」によると、令和2年の1月~12月に起こった総出火件数は34,691 件。
建物からの出火19,365件のうち、11.7%が放火または放火の疑いがあるものでした。
出火原因は続いて、たばこ、たき火、コンロの順となっています。
全国には、管理が行き届いておらず、人の気配を感じない空き家が数多くあります。
「ご近所さんが近くにいない」「家の灯りがついておらず人のいないことが丸わかり」
「ドアや窓の鍵が閉まっていない」といった空き家は、放火犯が狙いやすい状態になっているといえます。
また、庭の手入れをしていないために雑草が生え放題だったり、
新聞や雑誌などの燃えやすいゴミを放置していたりすると、
ふとしたたばこのポイ捨てでも火災が起こる可能性が高まります。
さらに、配線器具のトラブルについては、経年劣化している配線の修繕を怠ったために、
漏電し出火につながることがあります。
空き家での火災を防ぐための方法と火災保険について
空き家の火災の発生を防ぐためには、しっかりと空き家の管理をしておくことが大切です。
空き家の管理をする時間が作れないという方は、
売却して手放してしまったり賃貸に出したりして人に管理をしてもらうようにすることがおすすめです。
しかし、売却や賃貸に出す手続きのための時間を作ることすら難しい方もいるでしょう。
その場合は、まずは人の気配で自動点灯する照明を設置する、
新聞紙や雑誌などの燃えやすいものを置かないなどの対策をおこないましょう。
また、万が一を考えて火災保険への加入を検討してみるのもよいでしょう。
火災で周りの住宅に被害をもたらした場合、火災の原因となった空き家の所有者は、
被害を受けた人へ損害賠償をする責任があります。
空き家の火災保険に関する注意点として、
人が住んでいる家の火災保険とは保険の種類や保険料が異なるという点がありますので、
加入を積極的に検討する場合は違いを把握したうえで検討しましょう。
まとめ
空き家となった家屋から火災が起こる際、最も多い出火原因は放火です。
たばこのポイ捨てや配線器具のトラブルが原因の場合もあります。
日ごろから管理やメンテナンスをおこなうことが、
火災の発生を防ぐことにつながります。
今、放置されている空き家があるのなら、
まずはどのような状態であるのか確認し、
必要あれば火災保険への加入も検討してみてください。